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<石原吉郎>
詩集<サンチョ・パンサの帰郷>から
思潮社 現代詩文庫 
第1期26 石原吉郎詩集収録

ISBN 4783707251 1223円

位置
しずかな肩には
声だけがならぶのでない
声よりも近く
敵がならぶのだ
勇敢な男たちが目指す位置は
その右でも おそらく
そのひだりでもない
無防備の空がついに撓み
正午の弓となる位置で
君は呼吸し
かつ挨拶せよ
君の位置からの それが
もっともすぐれた姿勢である

人間の体験のなかには、よしんばそれが共同の体験であっても、絶対に共有できない部分があり、その部分を確認することだけが、かろうじて、<私が生きた>という実感につながる。そして、その実感を逆に私自身に確認させること。<私の>詩が私にできることは、それだけである。<詩に何ができるか>を一般に問う場は、私には欠けており、欠けたままである。

ノンフィクション <国際協力>
中田正一。
明治39年生まれ。農林省定年退職後、海外協力事業団国際農業研修センター館長を務める。農業協力プロジェクトとして69歳から76歳にかけてバングラデシュで暮らす。そこでの経験が「風の学校」を生む契機になった。80歳のとき、これからの人生を手掘り井戸の技術開発に捧げることを誓う。1991年没。
―いま眼の前にある運命を素晴らしいものと受け止め、その運命を十分に生ききってさえいれば、次にすべきことは必ず向こうからやってきた。―食べるために働くのではない。働いているから食べるのだ。
―そうした突然の死は、畳の上の死より、よほど具合がよさそうだったものですからね。

  「風の学校」沢木耕太郎著「彼らの流儀」収録

こういう人生に触発されて、私は前の会社を辞めました。

書名 国際協力の新しい風
著者 中田正一
出版社 岩波書店
定価 819円
発行 1999/01
判型 新書
ISBN 4004301300
バングラデシュへ、フィリピンへ、アフガンへ…。80歳を越えてなお、井戸掘りや学校設置など世界各地の人びとの暮らしのために邁進した著者を、何が駆り立て支えているのか。農業技術指導官としての生活を終えた後、自ら創立した「風の学校」で若者を育てながら草の根の国際協力に打ち込む心若き老人による試行錯誤に満たち体験記。

『人を助けることは自分を助けることだ』という中田の信条の持ち方に、自分の生き方を重ねてみる。自分が納得する人生を送りたいものだ。