工作と移動の日々 3
実用書の概念ではなくライフスタイルの提案へ
以上の課題から、新店舗の商品構成は、いわゆる実用書のジャンルと、児童書、小中学参に注目して改装を行いたいと考えた。児童書は、おはなし会の会場を店内に設けて更に活性化する。
特に「実用書、婦人家庭、地図旅行」関連は、2年前にT書房H店を開店させた時の構成を基準にして「実用書」という概念を打ち消すために、「趣味の本」「くらしの本」「旅の本」に大分類した。
それぞれのキーワードをもとにライフスタイルの提案を前面に押し出したいと考えている。
雑誌との連携についても重要な要素である。それぞれのジャンルで「キーマガジン」を決め、それと対応する商品構成を考えたい。一般的ではあるが、NHKテキストの「おしゃれ工房」に取り上げられた「グラスリッツエン」を手工芸の棚で展開するようなことである。
今回の改装は移動と製作に重点を置かざるを得なかったために、本業の商品構成が後回しになった感がある。OPENから4日程度ではまだ判断がつかないが、対前年同日比143%で推移している。
今後の仕入れ担当者と基本概念とのすり合わせの成否が、この店舗の売上を決定するだろう。
この後、「くらしの本」の売上が伸びたので、壁面棚から中棚に移動してお客様から見やすい位置に変更した。陳列も棚の上部は面陳として、常に小ジャンルでのフェア的な展開を心がけた。
とくに「くらしの本」はこの店舗のキーとなる分野なので、フェアを常時行なっている。
売上が向上し、それを維持している理由は、初期のレイアウト設定だけではなく、担当者が熱心なことと、その担当者を評価し仕事をやりやすくしている店長の力が大きい。
3年経過した2005年2月現在の「くらしの本」対前年伸張率は118.6%である。
店舗全体の売上も、2004年8月から2月までの累計で、対前年伸張率106%を維持している。
リニューアル、その後の経過